本籍を移す2つのデメリット ~引っ越しと戸籍の転籍~

引っ越しのときに戸籍の本籍も移してしまおうか迷いますよね。

確かに、本籍地が居住地の近隣だと戸籍を取得するときには便利です。

しかし、本籍を移すとデメリットも発生します。

いったいどんなデメリットがあるのかみていきます。




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1.転籍とは

戸籍に記載されている本籍地を別の場所へ移すことを「転籍」といいます。

本籍地は日本全国どこにでも移すことができます。

実際に住んだことがない全く無縁の場所に本籍を置くことも可能です。

市町村が別のところへ転籍すると、移す前の戸籍は除籍になり、移した先で新しく戸籍が作られます。

また「戸籍の本籍地」と「住民票の住所地」は別でも大丈夫です。

引っ越しするときに必ずしも住民票と一緒に戸籍も異動しなければならないわけではありません。

 

2.デメリット その①

相続手続きには戸籍謄本が必要です。

別の市町村へ転籍をすると、転籍した回数だけ戸籍が新しく作られます。

このため、相続手続きで戸籍謄本が必要になったときには、通常の人より戸籍謄本を取得する通数が多くなってしまいます。

当然、戸籍謄本を集める時間と費用が通常よりかかってしまうことになります。

(参考:相続で戸籍は何通くらい必要?~多くなりそうなケース~

ただし、戸籍法が改正されて将来的には戸籍の取り寄せがラクになります。

そうなるとデメリット①は気にしなくても大丈夫になります。

  

3.デメリット その②

戸籍が新しくなると、前の戸籍の情報の一部が新しい戸籍に記載されなくなります。

例えば離婚や認知をした場合には戸籍に記載されますが、戸籍を移して新しくするとその履歴は消えてしまいます。(参考:妻にバレたくない!戸籍から認知した子供を消す方法は?

※移す前(つまり転籍前)の戸籍には離婚歴などはそのまま残ります。

「戸籍のロンダリング」とか「戸籍のクリーニング」という言葉がありますが、この制度を悪用して離婚歴などを消す人がいます。

そのため、転籍が多いと結婚するときなどに「何かあるのでは?」と疑われる可能性があります。(参考:騙されないで!戸籍を取り寄せてブライダルチェック

  

4.本籍を移すデメリット まとめ

遠方へ移住してついの住処にする、という場合には引っ越しの際に本籍も移してしまった方が何かと便利です。

また、結婚や離婚などで新しく戸籍を作るときには、居住地と同じまたは近くに本籍を置いた方が便利でしょう。

しかし、今後また引っ越しの予定がある場合、単身赴任や就学のように一時的な転居の場合には、本籍地はそのままにされた方が無難です。

日常生活でそう頻繁に戸籍を取得することもないと思います。

パスポート取得のときなど戸籍が必要な際には、郵送請求もできるので活用されることをお勧めします。

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